マンション外壁大規模修繕の進め方とドローン診断活用術

マンション外壁大規模修繕の進め方とドローン診断活用術

築年数が進んだマンションでは、「そろそろ大規模修繕の時期だけれど、どこから手を付ければ良いかわからない」「外壁タイルの安全性が気になるが、費用や工期が不安」といった声がよく聞かれます。

この記事では、管理会社・管理組合・オーナーの方向けに、外壁の大規模修繕を進める際の基本的な流れと、建築基準法第12条に基づく点検との関係、さらにドローン外壁診断や「剥落防止くん」を活かした効率的な進め方をご紹介します。

1.マンション外壁大規模修繕が重要な理由

外壁の大規模修繕は、「見栄えを良くするための工事」と思われがちですが、実際には安全性と資産価値を守るための重要な投資です。

外壁タイルやモルタル仕上げは、経年劣化や雨水の浸入、温度変化による膨張・収縮、地震や風による揺れなどの影響で、内部に「浮き」が生じることがあります。

この状態を放置すると、タイルや仕上げ材が剥落し、歩行者や駐車車両に落下する危険性が高まります。

こうした剥落事故は、建物の所有者や管理者の責任が問われるケースもあり、民事訴訟や行政指導につながる可能性があります。

また、外壁からの雨水浸入は、室内のカビや構造材の腐食、断熱性能の低下を招き、建物全体の寿命や居住性を損ないます。

結果として、賃貸マンションであれば入居率の低下や賃料の下落、分譲マンションであれば売却価格への影響など、資産価値に直結します。

外壁の大規模修繕は「見た目を整える」だけでなく、「事故を防ぎ」「建物の寿命と資産価値を守る」ための土台づくりと言えます。

マンション外壁の経年劣化

2.建築基準法第12条点検と外壁修繕の関係

マンションや一部のビルは、「建築基準法第12条」に基づき、定期的な調査・報告(いわゆる12条点検・定期報告)が求められる「特定建築物」に指定される場合があります。

外壁タイル等の調査について、国土交通省の告示では概ね次のような方針が示されています。

  • 手の届く範囲の部分打診・目視調査を、おおむね数年ごとに実施すること
  • 竣工または外壁改修からおおむね10年ごとに、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分について、全面的な打診等による調査を行うこと

近年、この「打診等」に関する調査方法として、テストハンマーによる打診と同等以上の精度を有する無人航空機(ドローン)による赤外線調査が位置づけられ、条件を満たせば活用できることが明確化されています。

ただし、実際にどの範囲の建物が定期報告の対象となるか、どのような周期や方法で調査を行うかは、自治体ごとの運用基準や建物の用途・規模によって異なります。

詳細な判断は、各自治体の要綱や所管部署、あるいは12条点検に対応している調査業者・建築士に確認することをおすすめします。

大規模修繕を検討する際には、

  • 「12条点検で指摘された内容」
  • 「前回の全面打診調査の結果」
  • 「長期修繕計画上の位置づけ」

を整理しながら、修繕範囲と優先順位を決めていくことが重要です。

3.管理組合が押さえたい修繕計画づくりのステップ

ここでは、分譲マンションの管理組合を前提に、外壁大規模修繕をスムーズに進めるための代表的なステップを整理します。

1.現状把握と課題整理

まずは、以下のような資料・情報を集約します。

  • 過去の12条点検報告書、外壁調査報告書
  • これまでの大規模修繕・部分補修の履歴
  • 長期修繕計画と修繕積立金の状況
  • 居住者からの不具合報告(雨漏り、タイル落下、ひび割れの目撃情報など)

これらを基に、

  • 「どの範囲で劣化が進んでいるのか」
  • 「安全面で優先度の高い箇所はどこか」
  • 「今回の工事でどこまでを対象にするか」

といった大枠を整理します。

2.調査・診断の仕様を決める

次に、「どのような方法で現状を調査するか」を決めます。

例としては、次のような組み合わせが考えられます。

  • 目視調査+手の届く範囲の打診調査
  • 全面打診調査(ゴンドラ・足場など)
  • ドローンによる可視カメラ撮影+赤外線調査
  • 必要に応じた試験はつり・コア抜き(構造体の確認)

全てを一度に行うのではなく、

「まずドローンで広くスクリーニングし、必要箇所を絞ったうえで詳細調査を行う」

といった段階的な組み立ても有効です。

3.見積取得と比較のポイント

調査仕様が固まったら、複数社から見積を取得します。

比較する際には、金額だけでなく次の点もチェックすると良いでしょう。

  • 目視調査+手の届く範囲の打診調査
  • 全面打診調査(ゴンドラ・足場など)
  • ドローンによる可視カメラ撮影+赤外線調査
  • 必要に応じた試験はつり・コア抜き(構造体の確認)

ここで「報告書のわかりやすさ」を重視しておくと、後の理事会や総会での説明がスムーズになります。

4.理事会・総会での合意形成

調査結果と提案内容をもとに、理事会・総会での議論・決議を行います。

ドローン診断の映像や赤外線画像は、劣化箇所を視覚的に共有できるため、専門用語に馴染みのない居住者にも理解してもらいやすい材料になります。

  • 「どこが」「どの程度」「いつまでに」対応が必要か
  • 修繕積立金で賄える範囲と、借入や臨時徴収の必要性
  • 修繕の優先度(外壁、安全対策、共用設備など)

といった論点を、客観データをもとに説明することが合意形成の鍵になります。

5.工事実施と記録の残し方

工事が決まった後は、工程表や仕様書をもとに、管理会社や監理者と連携しながら進行状況を確認します。

完了後には、以下のような記録をきちんと残しておくことが重要です。

  • 施工図・仕様書・材料証明書
  • 完了写真(全景と部分)
  • 保証書・点検スケジュール

これらの記録は、次回の12条点検や大規模修繕の際に「前回何をどこまでやったか」を説明する根拠になります。

図面・権利書イメージ

4.ドローン外壁診断を組み込むメリット

ここからは、外壁大規模修繕の計画にドローン外壁診断を組み込むメリットを整理します。

1.足場を組む前に「本当に必要な範囲」を把握できる

従来の全面打診調査は、足場やゴンドラの設置が前提となり、高所作業の安全対策や騒音・通行制限など、居住者への負担が大きくなりがちでした。

ドローン診断を先行して実施することで、

  • 劣化が顕著な範囲
  • 優先すべき危険度の高い箇所
  • 逆に劣化が進んでいないエリア

を事前に把握し、足場を組む範囲や工事内容を絞り込むことができます。

これにより、工期・費用・居住者負担のいずれも抑えやすくなります。

2.安全性と記録性の向上

ドローン診断は、地上からの遠隔操作で高所の外壁を撮影できるため、作業員が高所に長時間滞在するリスクを減らせます。

また、可視カメラと赤外線カメラの画像データを保存しておくことで、

  • 次回調査時との比較
  • 理事会・総会での説明資料
  • 将来の修繕計画の見直し

など、さまざまな場面で「エビデンス」として活用できます。

3.12条点検での活用可能性

国土交通省は、外壁タイル等の劣化・損傷状況の調査方法として、条件を満たした場合に無人航空機による赤外線調査を認める方針を示しています。

ただし、実際にドローン調査が12条点検の一部として認められるかどうかは、各自治体や案件ごとの判断によります。

そのため、

  • 調査を依頼する業者が、12条点検の実務に精通しているか
  • 事前に所管行政庁と協議した上で調査計画を立てているか

といった点を確認することが重要です。

5.「剥落防止くん」で診断から予防対策まで一気通貫に

外壁診断の結果、タイルの浮きやひび割れが見つかった場合、「すべて張り替え工事をしなければならない」と考える方も少なくありません。

しかし、劣化の程度や範囲によっては、タイルを壊さずに安全性を高める選択肢もあります。

株式会社ジェブの提供する「剥落防止くん」は、

  • ドローン+赤外線カメラによる高精度な外壁診断
  • KFタイルホールド等を用いたタイル剥落防止コーティング(液体ガラス系の透明塗膜)

を組み合わせた、マンション共用部向けのワンストップパッケージです。

1.サービスのイメージ

  • 現状診断

    ドローン撮影と赤外線解析で、タイル浮きやひび割れの疑い箇所を抽出します

  • 優先順位づけと対策提案

    危険度や劣化の進行度を評価し、「今すぐ対処すべき箇所」「次回の修繕まで経過観察できる箇所」などを整理します

  • 剥落防止コーティング施工

    必要に応じて、タイル目地から透明の接着材を注入し、表面をコーティングすることで、タイルの落下リスクを抑制します。美観を損なわずに長期的な保護が期待できる点が特徴です

  • 報告書・アフター点検

    施工内容や範囲を報告書にまとめ、必要に応じて再点検を行いながら、長期的な外壁管理をサポートします

2.管理組合・オーナー側のメリット

  • 足場を組まずに診断できる範囲が広がり、居住者の生活への影響を抑えやすくなります
  • 危険度の高い箇所を優先的に抑えられるため、「限られた修繕積立金をどこに投じるか」の判断材料になります
  • 画像・データに基づいた説明が可能になり、理事会・総会での合意形成が進めやすくなります

これらはあくまで一般的なメリットの一例であり、具体的な効果は建物条件や施工仕様によって異なります。

個別の建物に適した方針を検討する際には、専門業者に直接ご相談いただくことをおすすめします。

ドローン外壁診断イメージ

6.まとめ

  • 外壁の大規模修繕は、「美観」だけでなく安全性と資産価値を守るための投資です
  • 建築基準法第12条に基づく定期報告では、外壁タイル等について数年ごとの部分調査と10年ごとの全面的な調査が求められる仕組みがあり、自治体ごとの運用基準も確認が必要です
  • 修繕計画は、過去の点検・修繕履歴や長期修繕計画を整理し、調査仕様 → 見積比較 → 合意形成 → 記録の保存という流れで進めるとスムーズです
  • ドローン外壁診断は、足場を組む前のスクリーニングや12条点検の一部として活用できる可能性があり、安全性・記録性・合意形成の面でメリットがあります
  • 「剥落防止くん」は、ドローン診断とタイル剥落防止コーティングを組み合わせ、診断から予防対策までを一気通貫でサポートするパッケージとして、管理組合・オーナーの負担軽減に貢献できると考えられます

※法令や自治体の運用基準は改正される場合があります。最新の情報は、必ず関係官庁や自治体の公式情報をご確認ください。

まずはお気軽にご相談ください!

私たちが建物の安全と資産価値を守るお手伝いをいたします

「剥落防止くん」は、ドローンによる高精度な外壁診断と、タイル剥落防止コーティングを組み合わせたサービスです。

ドローンで撮影した可視カメラ・赤外線カメラのデータを解析し、劣化・浮きのリスクが高い箇所を特定。その上で、専用のコーティング材を用いてタイルの剥落を防止します。

見えないリスクを“見える安心”に変える第一歩。

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