建物メンテナンスを怠るとどうなる?見逃せない5つのリスクとは

マンションや戸建て住宅、商業ビルなど、すべての建物には定期的なメンテナンスが欠かせません。
しかし実際には、「まだ大丈夫そうだから」「費用がかかるから」と後回しにされがちです。
ところが、メンテナンスを怠ることは、想像以上に大きなリスクを招きかねません。
この記事では、建物メンテナンスを怠った場合に発生しやすい5つのリスクと、それらを防ぐための具体的な対策について解説します。
リスク1:外壁の劣化による落下事故の危険性
外壁のひび割れやタイルの浮き・剥がれを放置すると、最悪の場合、外壁材が落下して通行人にケガを負わせる事故に発展します。
特に築20年以上の建物では、タイルの剥離が進みやすくなり、風雨や温度変化による膨張・収縮が原因で浮きが広がります。
こうした外壁材の剥落事故は、管理責任を問われるケースも多く、民事訴訟に発展する可能性もあります。
▼対策:
- 10年に1度は外壁診断を実施
- ドローンを使った高所点検で、効率的かつ安全に異常をチェック
- 外壁の浮きには「KFタイルホールド」などの接着補強材で予防施工

リスク2:雨漏りやカビの発生による健康被害
屋上防水や外壁のシーリングが劣化すると、そこから雨水が浸入しやすくなります。
雨漏りは建物内部の構造材を腐食させるだけでなく、壁や天井にカビが繁殖する温床にもなります。
カビが発生すると、喘息やアレルギー性鼻炎など、家族の健康に深刻な影響を与えるリスクがあります。
特に小さなお子様や高齢者がいる家庭では注意が必要です。
▼対策:
- 定期的な防水診断と再施工(目安は10~15年)
- 赤外線カメラを用いた漏水診断の導入
- 室内の湿度管理(換気・除湿器の併用)

リスク3:資産価値の低下
建物は定期的に手入れされていることで、資産価値を維持・向上できます。
反対に、外観や内装が劣化したまま放置されると、査定額は大きく下がってしまいます。
賃貸マンションや収益物件であれば、入居率にも大きな差が出ます。
見た目の清潔感や安心感は、入居者の判断基準に直結するためです。
▼対策:
- 長期修繕計画を立て、予算を積み立てておく
- 外壁・エントランス・共用部分の定期清掃
- 築年数だけでなく「管理状態」をアピールポイントにする
リスク4:修繕費用が高額化する
小さな劣化を放置すると、やがて大規模な補修が必要になり、結果的に費用が高くつくことがあります。
たとえば、ひび割れを早期に補修すれば数万円で済んだところを、放置して雨水が内部まで浸透した場合は、数百万円の修繕工事が必要になることも。
▼対策:
- 劣化の「初期サイン」に気づけるようにする
- ドローンやAI診断などの早期検出技術を活用
- 小さな修繕を計画的に実施(「予防保全」の意識)
リスク5:法的責任と行政指導
建物の不備が原因で第三者に被害が及んだ場合、建物の所有者や管理者には損害賠償責任が生じます。
また、重大事故が発生した場合には、自治体から是正命令や罰則が科されることもあります。
特に共同住宅や商業施設では、共用部分の安全性を確保することが法律上の義務とされており、怠ると管理組合や所有法人が責任を問われます。
▼対策:
- 建築基準法・民法に基づいた管理責任の理解
- 管理規約に基づいたメンテナンスの実施体制を整備
- 定期報告・点検記録の保存と共有
まとめ:建物メンテナンスは「安心」と「資産」を守る最前線
建物メンテナンスを怠ることによるリスクは、見た目の劣化にとどまりません。
人命に関わる事故や法的責任、資産価値の損失など、多方面にわたる影響が出てきます。
だからこそ、「見た目がまだキレイだから」「忙しくて後回し」と油断せず、定期的な診断と計画的な修繕を心がけましょう。
特に、ドローン外壁診断や防水コーティングなどの最新技術を取り入れることで、効率的かつ低コストで安全性を高めることができます。
安心・快適な暮らしと、大切な資産を守るために――
建物メンテナンスは、あなたの最前線です。

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